こうかい日記

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主に旅行の記録を残していきます。

パミール高原・ワハーン回廊の旅 前編

パミール高原・ワハーン回廊の旅 (2019.8.24~2019.9.01) 

 

今回は夏休みを利用して行ってきた、中央アジア旅行のお話です。

さて、中央アジアというと旅行先としてはハードルが高いイメージがあるかと思います。なぜこんな場所に行こうと思い立ったのかというと、1年前に研究室で研究をさぼりながら卒業旅行先を探していた時に、たまたまインターネットで見つけたそのダイナミックな風景に心を持っていかれたからです。果てしない荒野と雄大な山脈をどうしても見てみたいと思いましたが、卒業旅行の3月はシーズンではないので見送りました (寒すぎてとても観光どころではない)。ということで夏休みに一緒に行ってくれる道ずれを探していましたが、会社の同期で一人行ってもいいよという人を確保できたので、この夏休みに行ってきました。

 

今回目指すのは世界の屋根パミール高原。メインディッシュはタジキスタンアフガニスタンの国境、通称ワハーン回廊と呼ばれる渓谷です (下図参照)。このエリアに向かう方法はタジキスタンのMurgabからKhorogに抜けるか、逆にKhorogから入るかの2通りです。

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 さて、社会人になってしまった僕に許される休みは5連休まで。前後の土日とつなげた9連休が僕の使える時間の限界値です。一般的に中央アジアバックパッカーが1か月以上かけて旅行するのが普通です (まともな公共交通機関がなく、移動に時間がかかるため)。9日間という限られた時間でこの地を旅して、現地滞在時間を1日でも多くとれるよう検討を重ねた結果、キルギスのOshより現地に入り、陸路でタジキスタンとの国境を越えMurgabからワハーン回廊を通過、Khorog経由でタジキスタンの首都であるDushanbeに向かうというルートにしました。

  • エアライン:S7航空というロシアの航空会社にしました (現地まで同じ航空会社で行けるのはS7くらいしかなかった)。行きはモスクワ、帰りはノボシビルスクでのトランジット。なお帰りのトランジット時間は1時間半のみで、ここで失敗すると翌日の仕事に間に合わないという爆弾を抱えています...
  • ビザ:タジキスタンのみビザが必要ですが、インターネットで申請でき、1週間ほどで許可が下ります。ただし80USDくらいかかるのと偽サイトが多いので注意が必要です。
  • 現地での移動:公共交通機関は存在しないので、現地での移動は乗り合いタクシーに乗るか、車をチャーターする必要があります。今回は後者を選び、Osh Guest Houseというホテルで申し込みをしました。ここはバックパッカーが集まる宿で、何泊か宿泊し同じ方面に向かう仲間を集めて車をチャーターする人が多いですが、我々にはそんな時間はないので日本からあらかじめ2人で予約しました。料金は移動する距離と泊数によって車1台のチャーター金額が決まるため、なるべく大人数で乗った方が一人当たりの料金は安くなります。今回はOshからKhorogまで4泊5日の行程で申し込み、チャーター料金は車1台で846USD、一人につき423USDでした。
  • 道:キルギスの一部を除いて基本的にオフロードです。チャーターした車が三菱のパジェロなので耐えられないほど揺れるということはなかったですが、やはり日本のようにはいきません。
  • 治安:実際に旅行をした個人としては、かなり治安はいいと感じました。日が暮れても子供たちが外で遊んでいることもありました。一方で外務省の海外安全情報を見てみると今回旅行するエリアの危険度はレベル2 (アフガニスタンと国境を接するワハーン回廊はレベル3) と高く設定されているため注意は必要です(2019年10月現在)。

 

  • 8/24 成田~モスクワ

10:45に成田を出発。幸いなことにJALとの共同運航便だったので美味しい機内食を食べれました。昼過ぎにモスクワに到着し、トランジットが8時間と長かったのでモスクワ市内観光をした。写真は中心部を流れる川の岸辺から撮ったもの。モスクワは前菜だと思っていたので、思いがけず綺麗な景色が見れてテンションが上がりました。旅の初めは特に海外に来た!!って感動があるのでいいですよね。21時過ぎに空港に戻り、キルギスのOshへの飛行機に乗りました。

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  • 8/25 Osh~Tulparkul

 朝6時半にOsh国際空港に到着。この空港、めちゃめちゃ小さい。建物の大きさは高知竜馬空港の半分もなかったと思う。綺麗なトイレを使えるのは空港が最後だろうなと思い、トイレに行ったらただの穴しかなかった (以後この旅のトイレはほとんどただの穴です)。ああ、途上国に来たんだなって感じがすごくしました。

市街に移動し、今回チャーターした車の運転手と対面。写真はこの旅で5日間を共にした三菱のパジェロです。見た目はとてもきれいですし日本車なので信頼できそうです。今回の旅は車での移動がメインで、日中はひたすら車で走ってタジキスタンのKhorogを目指します。

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早速1日目の宿泊地のTulparkulに出発です。道が意外と綺麗で、先進国並みになめらかな路面。市街から30分ほどでこの景色。

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3時間ほどで街に到着。遥かに望むのは6000m級の山々です。

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 この町からはオフロードになりました。遠くに見える山脈に近づくように砂利道を進んでいきます。

2時間ほどで今回の宿泊地のTulparkulに到着です。ここは遊牧民の住居であるユルト (モンゴルではゲルと呼ばれているアレです) に宿泊できる観光客向けのユルトキャンプです。一泊二食付きで一人約1500円くらい。モンゴルに詳しい連れによるとゲルよりも作りが粗いとのこと。

真夏ですが標高が3600mもあるので、気温は20度くらいで涼しいです。

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夕食まで時間があるので裏のハイキングルートに行くことに。ここが絶景の連続でした。

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遠くに見えている平たい雪山は7000m峰のレーニンピークです。
写真は本日の夕飯です。メインはラム肉を使ったチャーハンみたいなもの。香辛料も効いていてまあまあ美味しいです。付け合わせはキュウリとトマトのサラダ。ちょっと味気ないかな、といった感じ。美味しくいただきましたが、この時の僕らはこの旅の間ずっとこれと同じものを食べ続ける運命にあるとは知る由もなかった...

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山の中なので夜は寒いですが、暖炉があるのでユルトの中はとても暖かいです。晴れていたので星空を撮影してきました。NZでは写真技術が拙くて星空写真をうまく取れませんでしたが、今回は何とか撮影できました。

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翌日にそなえて早めに就寝。
後編に続く。